日本の少子化-論文

日本の少子化     

 

現代における日本の少子化の現象は、子供の数が減少し、高齢化が進むにつれて社会保険料など、現役世代の負担が年々高まる中で、所得税法人税の引き上げを行えば、現役世代に負担が集中するため、特定の者に負担が集中せず、高齢者を含めて国民全体で広く負担する消費税が上げられている。そしてもう一つは、合計特殊出生率が年々低下していることが問題とされている。

 2017年6月、厚生労働省は2016年の人口動態統計を公表し、1人の女性が生涯に子供を産む合計特殊出生率は1.44と初めて100万人を割り、人口減少の加速化が浮き彫りになっている。

少子化の主な要因としてまず挙げられるのは、女性の社会進出、そして保育所問題である。女性の社会進出で少子化が進むのは、女性が仕事に重きを置くため、結婚や子育てに目を向ける時間がないというのが大きな要因だと考えられている。保育所問題は、現在夫婦共働きが増える中で、子供を保育所に預ける家庭が少なくない。しかし、保育所に子供を預けたくても、保育所の定員がオーバーしてしまい、子育てが困難だと考える女性が多くなり少子化の原因ともされている。このような保育所問題に対応するため、単純に保育所の数を増やせばいいと考えられるが、保育所の数を増やしたとしても、子供を預ける数が増えるだけだから意味がないとされている。では保育所の数を増やすのではなく、核家族制から大家族制に戻し、親が仕事で家を出ても、祖父や祖母が子供の面倒を見ることによって、保育所問題は解決されるという意見がある。しかしこの考えは不可能とされている。田中角栄政権の時にストロー効果と言って都会にある企業を地方に分散させ、そのため交通が便利になり、地方から若い人たちが続々と上京してきて、実家に戻ることがなくなった。保育所問題に関しては今も議論がなされている。

そして少子化の最も大きな要因として考えられているのは、現在の若い世代の賃金が低いことである。現在の若い世代は賃金が低く、雇用も不安定なため、結婚をしても生計を立てていくのが困難だと考え、晩婚化、非婚化が進んでいる。

若い世代の結婚をしない理由の半分はこのような賃金が低いなどといった経済的な理由で、この対策として賃金を上げることなどが議論されている。

 一方で、日本とは異なって女性の社会進出が進む中で、出生率が上がっている国がある。こういった国と日本との違いとしてまず考えられるのは、人口の数である。オランダやノルウェーといったヨーロッパの国は女性労働率が上昇する中で、出生率も上がっていくというデータが出ているが、これらの国は日本と比べて人口がはるかに少ない。日本は人口が多いため就職が困難である。さらに、オランダやノルウェーといった国は、雇用と労働者のバランスが取れているため、雇用が安定していると考えられる。そしてもう一つの理由は、ヨーロッパの国々では、男性も育児に参加できるように育児休暇を設けていることだ。従って、男性と女性が協力して子育てをできる環境ができるため、女性も働くことが可能になったと考えられる。日本では育児休暇が取れない、人口の増加、このような問題がこの差を生んでいると思われる。

 日本の少子化と「日本的働き方」の関係について、本来の社会のあり方であった男性が働き、女性が育児に専念するという体制をもう一度取るべきだと私は考える。そのためには夫婦共働きにならないように賃金を上げ、女性が専業主婦として働ける環境を作っていく必要がある。実際結婚した夫婦の産む子供の数は増えているというのも最近明らかになった。従ってこの体制を取れば、少子化の加速を防げると私は考える。